第29回電顕サマースクール2018

第29回電顕サマースクール2018の開催について

主催公益社団法人 日本顕微鏡学会
実行委員長寺田 信生(信州大学)
副実行委員長高木 孝士(昭和大学)
募集人数45名(先着順)
募集期間2018年4月9日(月)〜 6月22日(金)

ご挨拶

 公益社団法人 日本顕微鏡学会主催「第29回電顕サマースクール2018」を、北アルプス山麓の信州松本で開催いたします。

 生物を対象とする電子顕微鏡講座として、電顕を始めたい方からステップアップしたい方まで、専門の先生方による講演と実習を企画しました。

 従来から必要な電顕試料作製法や免疫電顕法、電顕機器作製をリードする方からの基礎的な話はもとより、最新の凍結技法とくにノーベル賞に至ったクライオ電子顕微鏡や、走査型電顕を用いた3次元コンピュータグラフィックスまで、広く生物応用が理解できると思います。参加者が気軽に体得が出来るように、実習も設定しました。

 医学や生物学を含めた大学・研究機関・企業を始め電顕観察に興味ある皆様、是非とも御参加ください。

講演と実習の内容

※時間の詳細は「プログラム」のバナーをご覧ください。

講演
  • ミクロ世界を可視化する電子顕微鏡の概要 多持 隆一郎 先生(日立ハイテクノロジーズ)
    波長の短い電子をプローブとする電子顕微鏡は、ミクロ世界の観察を実現可能とし、生物分野、材料分野での研究・開発には不可欠な計測・解析ツールとなりました。電子顕微鏡には、透過型電子顕微鏡(TEM)と走査型電子顕微鏡(SEM)があり、観察の目的に応じて使い分けられています。本講義では、生物の観察に必要不可欠な電子顕微鏡を理解頂くために、TEM、SEMの概要と応用例について紹介します。
  • 動物試料の固定・脱水・包埋の基礎 立花 利公 先生(東京慈恵医科大学)
    一般的な動物組織は70%の水分を含み、そのままでは柔らかく、軽元素で構成されており、自己融解を起こして時間とともに微細形態が変化します。このような試料を超薄切片法による試料作製するために、固定・脱水・包埋が必要となりますが、それについてビデオなどを用いてわかりやすく話す予定です。
  • 包埋試料の超薄切片作製から透過型電顕(TEM)観察へ 高木 孝士 先生(昭和大学)
    超薄切技術の習得には時間がかかり、難しいと言われています。しかし、今回はすぐに誰でも超薄切ができるよう、裏技や細かいコツをお教えしたいと思っております。ガラスナイフ作製、メッシュの処理法や選択、トリミングのコツ、切片の拾い方や様々な電子染色法を説明すると共に、良い道具の選び方等も紹介する予定です。超薄切、電子染色等で困っている点などあれば、個別対応をしようかと思っています。
  • 電子顕微鏡で見る生体試料の3次元構造 葦原 雅道 先生(サーモフィッシャーサイエンティフィック日本エフイー・アイ)
    一言で電子顕微鏡による3次元構造解析といえども、対象とする生体試料の形態や大きさにより異なる手法アプローチを試みる必要があります。組織、細胞レベルの3次元構造解析手法から、オルガネラ、さらにはタンパク質の3次元構造解析手法にいたるまで、どういった手法が最適で、さらに各手法にはどのような装置を用いる必要があるかをご紹介いたします。
  • 生きた動物臓器の機能形態像を探る:凍結技法の意義 大野 伸一 先生(山梨大学名誉教授)
    ヒトや実験動物等の細胞組織は、通常では70〜80%の水分を含んでおり、そこでの生理的機能は、常に液状の微小環境下で行われています。したがって、生きた動物生体内臓器での生理的機能を解析するためには、その微小環境にある試料標本を作製する必要があります。そのために切除した臓器試料を速やかに急速凍結し、凍結置換固定法や凍結割断エッチング法で検討してきました。本講義では、凍結による試料作製法の基礎的事項について概説し、さらに革新的なクライオ生検法と生体内凍結技法についても紹介します。
  • 細胞組織学のための凍結技法から広がる電子顕微鏡法:徳安法と高圧凍結法・凍結置換法 伊藤 喜子 先生(ライカ マイクロシステムズ)
    2017年のノーベル化学賞でクライオ電子顕微鏡法が受賞したことで凍結技法を用いた電顕技術が話題となっています。しかし、電顕のための凍結技法は、細胞内の観察対象に合わせ多くの手法が開発され細分化され用いられています。そこで、ここでは特に、細胞組織学に応用しやすい免疫電子顕微鏡法に繋がる、徳安法と呼ばれる凍結超薄切片法と、高圧凍結法とそれに続く凍結置換法の紹介をします。
  • クライオ電顕の試料作製とデータ解析 小田 賢幸 先生(山梨大学)
    昨年のノーベル化学賞受賞により、脚光を浴びているクライオ電子顕微鏡について、試料の凍結から、観察、データ解析まで概説します。本講義では特に、細胞小器官の三次元像再構成に適したクライオ電子トモグラフィーに重点を置き、実際の操作に役立つ実用技術をお伝えします。
  • 走査型電顕(SEM)の基礎から生物応用へ 山口 隼司 先生(カールツァイス)
    SEMとTEMは何が違うのか、SEMは何に使えるのか、二次電子と反射電子の違いは何かなどのSEMの基本原理、SEMの生物応用についてお話させて頂きます。また、近年流行のSEMを使った三次元電顕、光顕(その他の顕微鏡)とSEMの相関など最新のアプリケーション例についてもご紹介致します。
  • 走査型電子顕微鏡による生物試料の3次元超微形態解析 大野 伸彦 先生(自治医科大学)
    近年、生物組織の3次元微細構造解析が急速に普及してきています。その理由として、透過型電子顕微鏡の連続切片画像に類似したデータを、走査型電子顕微鏡を用いることによって非常に高いスループットで取得することが可能になったことが挙げられます。本講義ではこうしたアプローチの原理や方法、注意点などの基本的な項目をわかりやすく解説して、初学者でもこうした強力な手法を必要に応じてどのように利用すればよいのか、理解できるようになることを目標にします。
  • イオン液体の生物電顕試料への応用 桑畑 進 先生(大阪大学)
    真空中で蒸発しないイオン液体は、電子顕微鏡で帯電せずに観察することができます。すなわち、SEMおよびTEMの帯電防止剤として利用できます。いっぽう、それぞれの生体試料に適したイオン液体を選択すれば、濡れた状態のままの生体試料の電顕観察が可能となります。特に、脱水等の操作を行わなくても生体試料を観察する事ができ、極めて迅速に試料の準備が可能となります。
  • SEMによる最新の生物試料観察例 〜低真空SEMからFE-SEMまで〜 許斐 麻美 先生(日立ハイテクノロジーズ)
    SEMは、生物試料の形や構造を立体的な理解に利用されてきましたが、最近では樹脂包埋試料を反射電子観察し、TEM像とよく相関する像の取得が可能になり、SEMの生物分野における利用範囲が広がっています。また、観察のためには固定〜脱水〜乾燥という過程により試料を準備する必要がありましたが、低真空モードの開発や新しい試料前処理方法により、含水状態のまま観察することも可能になってきました。本講演では最近のSEMによる生物観察事例を紹介します。
  • 光と電子のコラボレーション-アレイトモグラフィーCLEMの紹介- 鈴木 克之先生(日本電子)
    SEMで連続切片を観察することで3次元情報を得ことのできる、アレイトモグラフィー(AT)に光・電子相関顕微鏡法(CLEM)を組み合わせた最新の技術への日本電子の取り組を紹介します。
  • 標的物質の局在を電顕で見る包埋前染色法 秋元 義弘 先生(杏林大学)
    免疫(抗原抗体)反応を用いた免疫組織細胞化学は、標的物質の局在を調べるための非常に有効な手法です。さらに、電子顕微鏡を用いて行う免疫電顕は、組織や細胞内での標的物質の局在を分子レベルで調べることが出来ます。免疫電顕には、免疫反応を樹脂包埋する前に行うか後に行うかによって包埋前染色法と包埋後染色法とがあります。本講義では、包埋前染色法について、基本的な手技と実際に行う際の注意点について解説し、その応用例について示します。
  • 免疫電顕法:包埋後染色法と抗原賦活化 山下 修二 先生(慶応大学)
    包埋後染色法は反応の再現性と信頼性は包埋前染色法に比べ優れていますが、脱水・包埋による微細構造の破壊をさけるため固定液の選択が制限され、反応の感度は低いです。本講義ではアルデヒドによる固定と加熱による抗原賦活化のメカニズムを明らかにし、賦活化を前提とした電顕の固定法を紹介します。抗原賦活化を用いることにより、LR-White包埋切片を用いた包埋後染色法においても、従来は検出が困難であった多数の抗原の局在を証明できることを示します。
実習

上記の講師に加えて、経験の多いスタッフが丁寧にお教えいたします。

  • 実験動物(マウス)の取扱い、灌流固定、脱水、包埋、電子染色
  • 高圧凍結技法、超薄切、電子顕微鏡(TEM, SEM)
  • 急速凍結技法、生体内凍結、凍結置換固定
  • 連続電子顕微鏡画像を用いた3次元データ解析
  • 包埋前染色法
  • 包埋後染色法、抗原賦活化法

参加費

参加費は以下のようになっています。下記銀行口座にお振込みください。

振込手数料は参加者のご負担でお願いいたします。

また振り込まれた参加費はご返却できませんのでご注意ください。

学会員 非学会員 学生
(学生証提示)
振込先 申し込みと同時に下記口座にお振込みください

*電顕を含む最新の顕微鏡全般の情報を得られる場として、
日本顕微鏡学会がございますので、
非会員の方は是非とも入会をご検討ください。

三菱東京UFJ銀行 秋葉原支店
普通預金 1095086
口座名義 公益社団法人 日本顕微鏡学会 電顕サマースクール
フリガナ シヤ)ニホンケンビキヨウガツカイ
講演・実習
(昼食、テキスト込)
¥13,000 ¥16,000 ¥7,000
懇親会費 ¥2,000
  • 懇親会
    8月4日(土)講演・実習後に信州大学構内で予定しています。
    全ての講師の先生が出席予定ですので、是非ともご参加されて交流を深めて下さい。

宿泊のお知らせ

信州松本の夏は観光シーズンで宿の確保が困難な場合もございます。
宿泊について」のバナーにいくつか宿泊ホテルを確保しましたので、よろしければご利用ください。
ただし、こちらはスクール事務局での扱いではございません。

公益社団法人 日本顕微鏡学会 電子顕微鏡技術認定試験について

毎年10月に一級・二級技士の認定資格試験を開催しています。
詳しくは、学会ホームページをご覧下さい。
http://www.microscopy.or.jp/tc/index.html


電顕入門ガイドブック 改訂版

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技術認定試験受験者必携の一冊

電子顕微鏡を初めて学ぶ人のための入門手引き書。
医学・生物学系の学生、若い研究者、技術者を対象として、細胞の構造と機能、生物試料作製技術、透視電子顕微鏡、走査電子顕微鏡の構造と基本操作、電子顕微鏡の物理的基礎など、電子顕微鏡のすべての領域にわたってわかりやすく簡潔に解説。
これ一冊で技術認定試験も、実際の操作も完璧です。

日本顕微鏡学会、電子顕微鏡技術認定委員会編
A5判 220頁
定価 3,600円(税込)

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