顕微鏡 第45巻▶第4号 2010
■特集:微生物をめぐる最近の知見

微生物をめぐる最新の知見 Aspergillus fumigatusに及ぼす新規抗真菌薬の作用機序の微細形態学的解析

西山彌生

帝京大学医真菌研究センター

要旨:深在性真菌症の治療薬として使用されている新規抗真菌薬,ミカファンギン,ボリコナゾール,リポソーマルアムホテリシンB,およびアムホテリシンBの4薬剤について,Aspergillus fumigatusの菌糸形態および微細構造に及ぼす影響について,電子顕微鏡を用いて解析した.その結果,ミカファンギンおよびボリコナゾールは,主として細胞壁形成を阻害し,菌糸の発育を阻害すること,アムホテリシンBおよびリポソーマルアムホテリシンBは共に細胞膜,ならびにオルガネラの膜構造を破壊することによって菌糸発育を阻害することが明らかとなった.

キーワード:新規抗真菌薬,作用機序,Aspergillus fumigatus,電子顕微鏡,微細構造

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