学術講演会の概要

ごあいさつ

日本顕微鏡学会第71回学術講演会の開催にあたって

公益社団法人日本顕微鏡学会会長 大野 伸一
第71回学術講演会 実行委員長  倉田 博基

 日本顕微鏡学会第71回学術講演会は、来る2015年5月13日(水)~15日(金)、京都市の国立京都国際会館において開催されることとなりました。京都での開催は7年ぶりとなりますが、会員の皆様には奮ってご参加いただきますようご案内申し上げます。
 近年の顕微鏡科学の進展には目覚ましいものがあり、その一つの成果として、「超高解像蛍光顕微鏡の開発」に貢献した米独の三氏が、2014年度のノーベル化学賞を受賞されました。この新技術により、生きた細胞中の分子の動きが捉えることが可能になり、医学生物学分野に革命がもたらされました。また、当該分野への日本人の研究者の寄与も大きなものがありました。さらに、物理学賞では「青色発光ダイオードの発明」により、日本人研究者三氏が受賞されましたが、この発明においても、電子顕微鏡が果たした役割は大きかったと言えます。現在においても顕微鏡科学は進化し続けており、近年の収差補正技術や試料環境制御技術などから、今後も大きなブレークスルーが現れると期待されております。
 このような背景から、今回の学術講演会のテーマを「新しい顕微鏡学の開拓」といたしました。本学術講演会では、高度な装置開発、技術開発に裏付けされた、新しい顕微鏡学の開拓を目指した討論の場としたいと考えました。たとえば、加速電圧の適正な選択による最新の研究成果と今後の展開や、電子源を中心とした最近の装置開発の現状と応用研究、電子線トモグラフィーなどにおける数学的解析法の進展による研究成果、さらには電子顕微鏡から視野を広げて、様々なイメージング技術の現状を俯瞰しながら、今後の顕微鏡学の発展の契機となる有益な討論がなされることを期待いたします。
 また、今回の学術講演会では、一般講演のセッションを充実させることにより、会員の皆様を中心としたオリジナルな研究成果の発表と活発な討論がなされることを期待しております。それにより、顕微鏡学会の益々の活性化に繋げていきたいと考えております。さらに、恒例となっております瀬藤賞受賞講演、冠ワークショップ、チュートリアルセッション、企業展示なども充実させるよう努めてまいりたいと思います。また、会期の翌日になりますが、5月16日(土)には、市民公開講座を開催し、中学・高校生を中心とした若い世代へ顕微鏡の世界をアピールしたいと考えています。この講座では、企業のご協力により、走査電子顕微鏡や光学顕微鏡の観察実習も行われる予定です。
 顕微鏡関連分野で活躍しておられる多くの研究者、技術者、学生の皆様が、この第71回学術講演会にご参加くださいますことを、実行委員ならびに学会関係者一同、心よりお待ちしております。

主催・事務局

主 催:公益社団法人 日本顕微鏡学会
会 長:大野 伸一

  • 実行委員長 倉田 博基(京都大学)
  • 装置・材料系プログラム委員長 乾 晴行(京都大学)
  • 医学・生物系プログラム委員長 諸根 信弘(京都大学)
  • 装置・材料系プログラム委員
    • 荒河 一渡(島根大学)
    • 一色 俊之(京都工芸繊維大学)
    • 大塚 祐司(東レリサーチセンター)
    • 岸田 恭輔(京都大学)
    • 小柏 剛(日立ハイテクノロジーズ)
    • 近藤 行人(日本電子)
    • 田中 孝治(産業技術総合研究所)
    • 治田 充貴(京都大学)
    • 藤田 真 (島津製作所)
    • 松田 健二(富山大学)
    • 三宅 亮(京都大学)
  • 医学・生物系プログラム委員
    • 青山 一弘(日本エフイー・アイ)
    • 岩崎 憲治(大阪大学)
    • 上田 昌宏(大阪大学)
    • 澤口 朗 (宮崎大学)
    • 島村 達郎(京都大学)
    • 豊岡 公徳(理化学研究所)
    • 永井 健治(大阪大学)
    • 成田 哲博(名古屋大学)
    • 藤原 敬宏(京都大学)
    • 村田 和義(自然科学研究機構)
    • 山本 章嗣(長浜バイオ大学)

会期・会場

[学術講演会]

会 期:
2015年5月13日(水)〜15日(金)
会 場:
国立京都国際会館(京都市左京区宝ヶ池)

[懇親会]

日 時:
2015年5月14日(木)18:30〜
会 場:
国立京都国際会館・スワン

[市民公開講座]

日 時:
2015年5月16日(土)13:00~16:00
会 場:
京都大学・宇治キャンパス